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JASME62 全国数学教育学会@広島 Day1

  • m-gomi
  • 7月2日
  • 読了時間: 3分

全国数学教育学会で広島を訪れるのは、今回で何度目だろうか...。これまでの経験から周辺の土地勘もだいぶついてきたつもりでしたが、今回は東広島のホテルを予約してしまい、休日はバスが運行していないことを知らずに大変な思いをしました。初日の帰りと、2日目の朝の移動には少し苦労しました。

広島駅
広島駅

初日は懇親会にも参加しました。終了後は夜8時を過ぎており、大学の研究者の方々や県内外の先生方とご一緒にタクシーで西条駅まで向かい、そこから広島駅を経由して

新幹線で東広島まで戻るという、なかなかハードな移動となりました。酔いもあって、少々スリリングな移動でした。


さて、本題に入ります。Day1では、6件の研究発表を拝聴しました。どれも非常に興味深く学びの多いものでしたが、特に印象に残り、自身の研究にも影響を受けた発表を3つ、ご紹介したいと思います(備忘録も兼ねて記録しておきます)。


誤答分析に関する研究発表

比較的素朴な問題を扱ったものでしたが、その結果がとても興味深く感じられました。私たち教員が「簡単だ」と認識している問題であっても、生徒の見え方は必ずしも一致していないということを再認識いたしました。具体から抽象へと向かう指導過程において、見落としがちな認知の段差があるのかもしれないと感じました。一般化に関心を持っている私としては、むしろ「再特殊化」的なアプローチにも可能性を感じ、そうした観点からの研究も行ってみたいと考えるようになりました。


paradoxical に関する授業実践研究

これまで自分が持っていなかった視点からのご研究で、非常に新鮮でした。2軸で構成された理論的な整理のもとで授業実践が提案されており、理論と実践のバランスが取れた構成に魅力を感じました。かつて私も「ユーモア」をテーマに授業を行ったことがありますが、理論的背景が不十分で、実践先行になってしまったことを思い出しました。今回のご発表を通じて、研究の進め方について多くを学ばせていただきました。現場で教壇に立ちながら丁寧に研究を積み重ねておられる姿に、改めて刺激を受けました。


図形概念(おうぎ形)に関する研究発表

とても印象的なご発表でした。研究内容そのものが現場目線に立脚しており、理論の追求ではなく、日々の授業の中で抱く素朴な疑問から出発した研究である点に非常に共感いたしました。以前からご執筆された論文や著作を拝読しておりましたが、今回のご発表でも、現場の教師としての視点と研究者としての分析が高い次元で融合しており、大きな学びを得ました。教科書の分析も丁寧に行われており、自身の研究にも取り入れたいアプローチだと感じました。


初日の研究発表会の後には、学会総会が行われ、その後懇親会が催されました。懇親会では、多くの大学の先生方、現場の教員、大学院生の皆様と交流することができ、非常に有意義な時間となりました。日頃お世話になっている大学の先生からは悩み相談に乗っていただいたり、共同研究を進めている先生からは現場経験に基づいた研究に関するお話を伺ったりと、学びと刺激に満ちた貴重なひとときでした。


また、以前から憧れていたある先生ともお話をさせていただく機会があり、そのお言葉一つ一つが胸に響きました。アルコールの力もあり、少し浮かれた気分にはなりましたが、心から感激したことを覚えています。

懇親会
懇親会

このようにしてDay1を終え、研究に向かうモチベーションを改めて高めることができました。学会に参加することで、毎回のように「火がつく」感覚がありますが、今回もまたその感覚を得ることができました。


Day2の様子については、次の記事でご紹介します。

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