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第15回附属高校授業研究会 2025.05.30

  • m-gomi
  • 6月3日
  • 読了時間: 2分

5月30日(金)の第14回授業と同日に、1年生の数学Ⅰで「絶対値を含む方程式・不等式」を扱いました。


今回大切にしたのは、以下の2点です。

① 方程式・不等式の「解」の意味をしっかり理解すること

② |x| は「数直線において原点から x までの距離」という定義に立ち返って考えること


①については、前時までに単なる方程式や不等式だけでなく、連立不等式も扱っていたため、思っていたよりもスムーズに進めることができました。


一方、②については、基本的には問題なく進みましたが、|x-2|=3 の問題を扱った際に、思わぬつまずきがありました。


生徒たちは「原点から2までの距離が3」というところまではしっかり理解できていたのですが、私がさらに「2からxまでの距離」という別の視点で考えさせようとしたことで、生徒の手が止まってしまいました。


大学の先生との協議会でもご指摘いただいたのですが、もしこの議論に踏み込むのであれば、|x| の概念規定の段階で「なぜ0からなのか?」という問いかけを入れ、「|x| は |x-0| である」ということに気づかせるべきだったと思います。さらに言えば、日常の文脈から「距離は差である」ということを自然に感じ取れるように、丁寧に足場掛けをしておく必要があったと感じました。


絶対値を含む方程式・不等式の授業で本当の勝負になるのは、この後に学ぶ「場合分けを用いた解法」だと思っています。ただ、その前段階でも、想像以上に苦戦する場面があったのは予想外でした。原因としては、定義に戻って考える機会がこれまで少なかったこと、方程式や不等式の解法を操作的・手続き的に捉えてしまい、「解の意味」を十分に理解できていないこと、そして式を読む力が十分でないことなど、さまざまな障壁があるのだと気づかされました。


次に同じ授業をするなら、どのように指導するか、もう少し具体的に検討してみたいと思います。今回の授業は平板な授業だったかもしれませんが、私自身にとっては気づきの多い貴重な授業になりました。

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