第14回附属高校授業研究会2025.05.30
- m-gomi
- 6月1日
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今回は、2年生を対象に、数学B「数列」の授業で「Σk²の公式」の導出を扱いました。教科書等では、既知のΣkの式をもとに代数的な処理(差分の恒等式など)を用いて導く方法が一般的ですが、今回は図形的なアプローチに挑戦してみました。
その理由は、代数的な処理だとどうしても「この式はこうやって導くもの」といった天下り的な説明になってしまうと感じたからです。もちろん、代数的なアプローチでも、もっと丁寧で納得感のあるWell-designedされた指導方法があるのかもしれませんが、私には思いつきませんでした。
加えて、Σk(等差数列の和)の公式導入については、前時までに「同じものをもう一つ用意して反転し、足し合わせて、同じ数を項数分だけ作って、重複度2で割る」というアイデアで等差数列の和を導出しました。ですので、指導の流れとしても、今回はその操作を拠り所に、Σk²でも同様にしていくことが妥当だろうと考えました。(Σk^3以降の導出をどうするかといったデメリットも孕んでいるが...)
具体的には、1²+2²+3²+4²+5² を、1+2+2+3+3+3+4+4+4+4+5+5+5+5+5 のように和で表し直し、三角形型に並べ、それを120°回転させたものを3つ用意し、足し合わせて重複度3で割るという形で、図形的に考える指導しました。
今回の目標は、こうした操作を次元を上げても同じように適用できるという「類推的に考える力」を育てることでした。さらに、授業者としては、この題材をいかに構成主義的な授業実践として組み立てられるか、その可能性を探るという裏テーマもありました。
その点では、発問なども入念に準備し、極力一方的な教授にならないように気をつけたつもりでしたが、やはり最後は少し教え込む形になってしまったのが実感です。
いつも悩まされるのは、高校数学では特にこのようなテクニカルな部分の指導を構成主義的に行うのは限界があるのかもしれない、ということです。教授主義にも構成主義にもそれぞれメリット・デメリットがあるので、内容に応じて使い分けることが大事だとは思いますが、なるべく後者(構成主義)で授業を設計していきたいと感じているため、この壁にいつもぶつかり苦慮します。
まだまだ教材研究や、well-designedな授業を構成する力が足りないと痛感しました。これからも精進していきたいと思います。
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